睡眠時無呼吸症候群|山の手内科クリニック|神戸市の内科、呼吸器内科、アレルギー科

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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群|山の手内科クリニック|神戸市の内科、呼吸器内科、アレルギー科

当院の睡眠時無呼吸症候群外来の特長

当院の睡眠時無呼吸症候群外来の特長

睡眠は人生の約3分の1を占め、睡眠障害による質の低下は日常生活に大きな影響を与えます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠障害の一つですが、様々な生活習慣病と関わりがあるとされ、難治性の高血圧や心疾患の原因としてSASが隠れていた、ということもよく経験します。実際、国内では約3~10%(約500万人)の患者さんがいると推定されていますが、実際に検査・治療されているのはその10%にも満たないのが現状です。

当院では睡眠時無呼吸症候群を重要な内科疾患の一つとして捉えており、経験豊富な呼吸器内科専門医による、検査から治療まで一貫した診療を行っております。特に無呼吸の検査に関しては、自宅での即日検査が可能です。いびきや日中の眠気にお悩みの方、ご家族から無呼吸を指摘された方は、ぜひお気軽にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、眠っている間に一時的に呼吸が止まる疾患です。10秒以上の呼吸停止が無呼吸と定義されており、1時間に5回以上の無呼吸が起きるとこの疾患の可能性があります。代表的な症状は“いびき”で、眠りが浅くなるため、日中に強い眠気や集中力の低下、倦怠感を生じることがあります。眠気が原因で深刻な交通事故につながることもあり、運転には特に注意が必要です。放置すると、低酸素により血管・心臓・脳に大きな負担がかかり、高血圧症や狭心症、心筋梗塞、脳卒中などを合併することもあります。できるだけ早く診断し、治療をはじめることが大切です。

睡眠時無呼吸症候群の主な原因

睡眠時無呼吸症候群は大きく分けて2種類あります。一つは、呼吸運動は保たれているものの、上気道のどこかの閉塞によって、鼻・口の気流が停止する「閉塞性」の睡眠時無呼吸です。もう一つは呼吸運動そのものが停止する「中枢性」の睡眠時無呼吸です。実際は前者の閉塞性無呼吸症候群が大半を占め、いびきが起きるのも主にこちらになります。

気道の閉塞が起きる要因は、肥満による首や喉まわりの脂肪沈着、あごが十分発育していない小顎症、扁桃肥大、舌根・口蓋垂(のどちんこ)が落ち込んでしまうことによる狭窄などの解剖学的な理由が挙げられます。勘違いされがちですが、決して肥満の人だけに起きるわけではありません。また、加齢や睡眠時における呼吸の調節能力の低下など、機能的な要因も関連します。男性は30~60代によくみられ、女性は更年期以降に多く、閉経によるホルモンバランスの変化も一因とされています。

睡眠時無呼吸症候群でみられる主な症状

就寝時

いびきがひどい、呼吸が止まる・むせる、息苦しさを感じる、寝相が悪い、寝汗をよくかく

起床時

頭が痛い、口が乾いている、いくら寝ても疲れがとれない、熟睡感がない、体が重く感じる

日中

強い眠気、だるさ・倦怠感、集中力の低下、記憶力の低下、いつも疲れている、居眠りで支障をきたす(自動車の運転で事故を起こしそうになるなど)

睡眠時無呼吸症候群の検査

検査はご自宅でできる簡易検査と、専門の医療機関に一泊して行う精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG検査)があります。簡易検査では手指や鼻下にセンサーを装着し、睡眠中の無呼吸の回数、酸素濃度などを調べます。精密検査は脳波計や心電計などを用いて行う詳細な検査です。無呼吸の回数が1時間あたり5~15回が軽症、15~30回が中等症、30回以上が重症に分類されます。 当院では無呼吸が疑われる患者さんには簡易検査をご提案しており、即日実施が可能です。精密検査が必要な場合は、検査可能な医療機関へ迅速にご紹介いたしますのでご安心ください。

症状の程度や原因に応じた治療法

治療には対症療法と根治療法があり、症状の程度や原因に応じて選択します。代表的な対症療法には、CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)とマウスピース療法があります。

CPAP(シーパップ)療法

CPAP療法は中等症~重症例に有効な治療法です。睡眠中に鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道を開存させて治療します。睡眠中の無呼吸・いびきが減少し、眠気の改善や血圧を下げる効果も期待できます。簡易検査で無呼吸が1時間あたり40回以上、精密検査(PSG)で20回以上の場合に保険適応となります。当院はTEIJINと連携しており、CPAPの適応がある場合は迅速に開始することが可能です。

マウスピース療法

マウスピース療法は軽症度に適した治療法です。睡眠時にマウスピース(スリープスプリント)を装着し、下あごを前方に出すように固定することで上気道を広く保ち、無呼吸やいびきの発生を防ぎます。当院でのマウスピース作成はできませんが、必要時は近医歯科をご紹介いたします。

根治療法

原因が肥満の場合は減量が根治療法であり、対症療法を組み合わせて進めます。あごの小ささや扁桃肥大などが原因の場合は、手術が根治療法となります。また鼻疾患を有している場合、マウスピースやCPAP療法で十分な効果が得られないことがあり、同様に手術が検討されます。当院で手術は実施できませんが、適応がある場合は近医耳鼻科をご紹介いたします。

このほかに、口呼吸の予防・治療に有効な口腔筋機能療法や、寝る向きを矯正する体位療法などが有効なこともあります。

睡眠時無呼吸症候群の診療費用

保険診療(以下3割負担で計算)

簡易検査 約2700円(診察料別)
CPAP 約4000円/月(診察料別)

循環器疾患と閉塞性睡眠時無呼吸症候群の関連性

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は様々な循環器疾患との関連が指摘されています。

高血圧

SASは高血圧の原因になる可能性があり、SASの患者さんの半数に高血圧が認められ、高血圧患者さんの3割にSASが認められるという報告もあります。また、治療に抵抗性の高血圧症にSASが隠れている可能性も指摘されています。

心不全

SASは心臓に負担がかかり、心機能を低下させる可能性があります。心不全患者さんにSASが合併しやすいことや、SASを合併している心不全患者さんでは死亡率が高まるという報告もあります。

脳卒中

SASは脳卒中の発症リスクが高まるとされています。とくに50歳以上では、脳卒中および死亡リスクがSASでない方の約2倍という報告もあります。

不整脈

SASは不整脈を合併することが多く、無呼吸の増加や低酸素血症の悪化に伴い合併頻度も高まります。とくに夜間の不整脈は、半数近くのSAS患者さんに認められ、重症度では、その発症リスクが2〜4倍に高まるとされています。

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)

冠動脈疾患を有する方がSASを合併する率は、冠動脈疾患のない方の約2倍といわれています。

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